Nature ハイライト

神経:眠れる者よ、目覚めよ

Nature 450, 7168

4月に本誌に発表された論文は、神経疾患を治療するための光学的治療の開発に関する興味深い可能性を示唆するものだった。その研究では、組織切片と線虫(C. elegans)を用い、脳細胞で遺伝子操作を行うことで、それぞれ異なる色の光パルスに応答する脳細胞活性を変化させられることを明らかにした。今回、それに続いて行われた研究で、同様の手法によって生きている哺乳類個体の行動を変化させられることがわかった。ヒポクレチン(Hcrt)を産生する視床下部のニューロンは、睡眠から覚醒状態への移行時に活性を示す。光に反応するよう遺伝子操作したマウスのHcrtニューロンに光刺激を与えると、睡眠から覚醒への移行の可能性が高まり、刺激する光の波長を短くすると、より急激な覚醒が起こる。Hcrtの欠損はナルコレプシーと関連があることから、今回の結果は、睡眠障害を解明する手掛かりになるかもしれない。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度