Nature ハイライト 進化:「ヒトの祖先」の線引きをする 2011年2月17日 Nature 470, 7334 エチオピアのアワシュ地方中部のアルディピテクス、ケニアのトゥゲン丘陵のオロリン、チャドのジュラブ砂漠のサヘラントロプスなど、近年発見された複数の化石は、ヒトおよびヒトの祖先を含む分岐群に属する「初期人類」として認められている。今週号のReviewでは、この点についてB WoodとT Harrisonが警告を発している。チンパンジーやボノボなどの現生ヒト科類人猿は、現生人類との違いが大きい。しかし、ヒトにつながる系統が出現したと考えられている800万〜400万年前には、ヒト科動物間の違いが概して現在より小さかったと考えられる。WoodとHarrisonは、アルディピテクスやオロリン、サヘラントロプスなどの化石分類群が系統樹上のどこに位置付けられるかについて、異なる解釈をしており、人類系統に近いものの、おそらくは別系統だろうと考えている。 2011年2月17日号の Nature ハイライト 進化:「ヒトの祖先」の線引きをする 発生:幹細胞の分裂の仕方による分化制御 細胞:老化の軸となるテロメア/ミトコンドリア 宇宙:超大質量ブラックホールはもっと小さい? 材料:新しいメタマテリアルが示す30以上の屈折率 漁業:持続可能な漁業のモデル 進化:さらに古い化石記録に出現した複雑な生物形態 発生:初期胚での細胞運命 目次へ戻る