Nature ハイライト
気候:南極の気候への影響の変化
Nature 470, 7333
南極半島は現在、地球上で温暖化が最も急速に起こっている地域の1つだが、長期にわたる変動についてはよくわかっていなかった。A Shevenellたちは、海洋性ピコプランクトンの古細菌Crenarchaeotaの膜脂質を追跡する古温度計となるTEX86代理指標を用いて、過去1万2,000年にわたって、南極半島の先端付近の海水温に約4 °Cの低下が長期間見られることを明らかにしている。このことは、日射の軌道によって制御される変化と一致する。より短期的な水温変動は、偏西風の位置に強い影響を受けてきたらしい。この研究結果は、エルニーニョ/南方振動系の南極半島への現在の影響が、完新世後期に始まった比較的最近の現象であることを示唆している。
2011年2月10日号の Nature ハイライト
がん:前立腺がんに見られる遺伝的変異
脳:攻撃行動と交尾行動はリンクしている?
構造生物学:多サブユニット複合体の解明を進める
宇宙:初期の銀河団のようす
化学:多角化する不斉触媒
気候:南極の気候への影響の変化
系統分類:無腸類は単純な生き方を選んだ
発生:発生中の網膜に指示を出す分子