Nature ハイライト

化学:水と空気の界面を探る

Nature 474, 7350

空気と水の界面で生じる表面現象は、海洋学から大気化学や環境化学まで、多くの場面においてきわめて重要である。界面領域の薄さはどれくらいなのか、つまり界面を横切っていくと、どの辺りでバルク液体水の特性が再び現れるのかという問題は、まだ解決されていない疑問である。今回、Stiopkinたちは分光法を用いて、表面から突き出した酸素–重水素結合を持つ水分子の「自由OD(oxygen-deuterium)」振動モードを調べ、理論モデリングによって解釈した。その結果、界面にまたがる水分子がバルク水よりも少しだけ弱い水素結合を形成することを見いだした。このことは、空気から水相へと界面を横断していくと、バルク相挙動がすぐさま現れ、界面の「回復長」がきわめて短いことを示唆している。

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