Nature ハイライト

化学:水はどのようにして凍るのか

Nature 479, 7374

水が持つさまざまな変わった性質は、何十年にもわたって科学者たちを悩ませてきており、その原因を説明しようと多くの仮説が考えられてきた。謎の1つは、水が冷やされて氷になる直前の最低温度を左右するのは何かというものだ。水は低温で急速に結晶化するため実験的研究は難しく、シミュレーションはコンピューターの使用時間という点で法外な費用がかる。今回、E MooreとV Molineroは、困難な計算を可能にする単純な水モデルを使って、過冷却液体水での4配位分子の割合の急激な増加が、氷形成の速度と機構を支配していることを明らかにしている。この構造変化によって、225 Kでの結晶化速度が最高になり、225 K未満では液体水が平衡化するより速く氷核が形成される。今回の研究結果によって、観測された熱力学的異常が説明され、均一氷核形成速度が水の熱力学的性質に依存する理由も明らかになった。

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