Nature ハイライト 発生:大脳新皮質の発生制御 2012年6月7日 Nature 486, 7401 哺乳類の高次脳機能が進化するうえで、大脳新皮質の出現と拡張はきわめて重要だった。大脳新皮質は層によってその投射パターンが異なっており、上のほうの層はほかの皮質ニューロンと接続し、深部の層は脳のほかの領域や脊髄へ長距離の投射をしている。しかし、これらの解剖学的な差異を生み出す遺伝的プログラムについては、まだわかっていない。今回Shimたちは、進化的に保存された大脳皮質特異的なエンハンサーを同定した。このエンハンサーは、皮質脊髄路における深層の長距離投射ニューロンの生成に必要な、Fezf2により開始される細胞運命指定プログラムを駆動する。SOX転写因子群が、四肢動物で新たに出現した結合部位を介してこのエンハンサーを制御し、哺乳類の進化的特徴である皮質脊髄路の出力系を担う調節ネットワークを調整している。 2012年6月7日号の Nature ハイライト 発生:大脳新皮質の発生制御 医学:アンチ標的は見逃すように調整された抗がん剤 宇宙:天の川銀河の「若い」ハロー 宇宙:紫外線によって浮び上がった火星メタンの新たな起源 地球:保存されてきた太古のマントル貯蔵庫 環境:国際貿易が内包する生物多様性というコスト 脳:発達中の新皮質の姉妹ニューロン 構造生物学:ナトリウムチャネルの高分解能構造 目次へ戻る