Nature ハイライト 宇宙:紫外線によって浮び上がった火星メタンの新たな起源 2012年6月7日 Nature 486, 7401 火星上でメタンが観測されたことが報告されてから、報告の信頼性とメタンの起源について論争が続いており、メタンの起源としては生物学的なものと地質学的なものが提案されている。だが今回、事態はさらに複雑になってきた。メタンが、隕石由来の有機物の光化学分解によって生成される可能性が示されたのである。火星上で予想されるのと似た条件下で紫外線照射にさらされたマーチソン隕石の標本は、「地球外」起源を示す水素同位体の特徴を持つメタンガスを放出した。これとは対照的に、このガスの安定な炭素同位体組成は地球の微生物起源のガスの組成と同じであった。このことは、安定な炭素同位体のデータは、これまで考えられてきたような、地球外生命であることを同定するための有効な手段ではない可能性を示唆している。 2012年6月7日号の Nature ハイライト 発生:大脳新皮質の発生制御 医学:アンチ標的は見逃すように調整された抗がん剤 宇宙:天の川銀河の「若い」ハロー 宇宙:紫外線によって浮び上がった火星メタンの新たな起源 地球:保存されてきた太古のマントル貯蔵庫 環境:国際貿易が内包する生物多様性というコスト 脳:発達中の新皮質の姉妹ニューロン 構造生物学:ナトリウムチャネルの高分解能構造 目次へ戻る