Nature ハイライト

薬学:薬物毒性の予測

Nature 486, 7403

薬物有害反応は、ほかの点では有効な薬物の臨床使用を制限することがあり、新薬開発が臨床試験の段階で失敗する主な原因となっている。薬物は2個以上のタンパク質標的と相互作用することが多く、また、そのようなタンパク質の多くが臨床で使用される治療薬の副作用に関連している。今回、コンピューターモデルを使った大規模な研究によって、薬物有害反応に関連している73個のタンパク質標的に対する656種類の薬物の活性が予測された。さらに、これらの予測のうちの1,042件が検証され、そのおよそ半分が確認された。予測の1つは、合成エストロゲンのクロロトリアニセンの既知の副作用の1つである腹痛が、この薬によるCOX-1阻害によって引き起こされるというもので、この阻害の臨床症状との関連がヒト全血の血小板凝集アッセイで確証された。この予測法は、失敗する可能性が非常に高い薬物を臨床試験に入る前に除外するのに使えるかもしれない。

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