Nature ハイライト

宇宙:金属の少ない恒星を巡る太陽系外惑星

Nature 486, 7403

原始惑星系円盤における惑星形成のようす(想像図)。
原始惑星系円盤における惑星形成のようす(想像図)。 | 拡大する

Credit : University of Copenhagen, Lars A. Buchhave

太陽系外惑星探査の分野でこの10年間になされた重要な発見の1つは、金属量の多い恒星には巨大系外惑星が存在している可能性がきわめて高いというものである。この発見は、塵と氷の粒子が集積して惑星が形成されるというモデルを裏付けている。惑星と金属量の相関が地球型惑星にも成立するかどうかはまだはっきりしていないが、ケプラー探査計画で昨年発見された数百個の小さい系外惑星候補が、この問題を解明する機会を与えてくれた。今回、小さい系外惑星候補226個の親星の分光学的に観測された金属量が決定された。地球半径の4倍より小さい惑星候補は、さまざまな金属量の恒星の周囲で見つかっているが、それらの金属量は平均すると太陽に近い。もっと大きい惑星は、金属量の多い恒星の周囲に見つかることが多い。これらの知見からすると、地球型惑星は銀河系円盤に広く分布している可能性があり、その形成には、金属量が多くなければならないといった特別な条件は不必要なのかもしれない。

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