Nature ハイライト 地震:ニューマドリッドの衛星地震解析 2005年6月23日 Nature 435, 7045 全地球測位システム(GPS)を用いて、北アメリカで最も謎の多い地震地帯の1つが示す特徴が明らかにされた。テネシー州メンフィス近くのニューマドリッドは、最も近接するプレート境界から2,000 km以上離れているにもかかわらず、一連の大地震に見舞われた場所であり、最近では1812年に発生している。 今週号でM Ellisたちが、ニューマドリッドと活発なプレート境界とではひずみの蓄積速度が同程度であることを報告している。これは、米国中部に敷設されたGPSアレイ(GAMA)からの4年にわたるデータから得られた結論である。GAMAは、衛星の測位システムを利用して地上のわずかな動きを記録する常設の監視ネットワークである。 この結果、ニューマドリッド地震帯周辺のデータのくい違いが解消された。この場所は、従来の精度の低い測定では、大きなひずみの蓄積を見つけられなかった地域である。さらにEllisたちは、この地域では、およそ500年ごとにマグニチュード7.5以上の地震が起きる可能性が高いことを示している。「彼らの報告から、米国中部のメンフィスやその他の都市の建築条例に、より厳しい地震対策を採択することの科学的裏づけが得られた」とM TuttleがNews and Viewsで語っている。 2005年6月23日号の Nature ハイライト 地震:ニューマドリッドの衛星地震解析 物理:渦巻によって物質の新しい相が明らかになる 進化:毒牙をもった絶滅哺乳類 材料:粉粒体の謎 視覚:ハル・ベリーは選択的な応答を引き起こす : 目次へ戻る