Nature ハイライト 古生物:イクチオステガは尺取り虫みたいに進んだ? 2005年9月1日 Nature 437, 7055 陸上を移動した最初の四肢動物は、尺取り虫のように後ろ足を前方に引き寄せては前足を前に伸ばすことで体を前進させたのかもしれない。P Ahlbergたちは、およそ3億6千万年前のデボン紀のグリーンランドにいた、四つ足をもつ魚のような姿のイクチオステガという絶滅動物種について、化石を総ざらいして解析をやり直した。 そしてAhlbergたちは、イクチオステガの脊柱の構造では魚のような左右に体をくねらせる動きは不可能で、垂直方向(背腹方向)の動きしかできなかっただろうという結論に達した。脊柱から出る突起が作る神経弓と呼ばれる部分が、左右にくねる動きをするには長すぎるからだ。この解析結果は、現在の高等な脊椎動物やヒトに見られるのと同じように、イクチオステガの脊柱に部分ごとの違いがあったことを初めて示したものである。今回の研究結果は従来の解析結果と異なっており、イクチオステガが脊柱にこうした特徴をもつ最古の動物であることを明らかにしている。 2005年9月1日号の Nature ハイライト 宇宙:たらふく食べて大きくなった星 古生物:イクチオステガは尺取り虫みたいに進んだ? 量子情報科学:送信されたキュービットを安全にキャッチ 医学:エキストラバージンオリーブオイルの潜在的鎮静作用 遺伝:チンパンジーとヒトのゲノムには際立ったちがいがある : 目次へ戻る