Nature ハイライト

宇宙:たらふく食べて大きくなった星

Nature 437, 7055

塵とガスをのみこむことで大質量星が形成されることがあるのを、2つの研究チームが報告している。たとえ最大級の星でも、小さい星が合体して太陽質量の10倍より重い星になる過程によらずに形成可能であることを示す証拠は増えつつあり、今回の観測結果もこれを支持するものだ。  質量の小さい星が、その周囲を取り巻く塵とガスでできた高密度円盤から物質を取り込んで成長する過程は降着として知られ、広く認められている。しかし星が大きくなると、強い輻射圧によってそれ以上の物質流入が止まり、降着を通じて獲得される質量の上限が決まると考えられる。  そこでN Patelたちは、太陽の15倍の質量をもつケフェウスAの近傍からやってくる赤外光を観測した。そして、星の周りを回転する大規模な塵の円盤があり、星の両極から物質のジェットが噴出しているのを発見した。これは、もっと小さい星の形成時に見られるのと同じ特徴である。  Z Jiangたちは、太陽の7倍以上の質量を持つ天体であるベックリン・ノイゲバウアー天体について観測を行い、同様の結果を得た。  「降着に関する最近の理論によると、これらの現象は大質量星の降着による形成を可能と考えるのにぴったりの材料といえる」と、B Whitney はNews and Viewsで語っている。

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