Nature ハイライト 遺伝:ずっと迅速なDNA塩基配列決定法 2005年9月15日 Nature 437, 7057 米国の科学者たちが、従来より100倍も速いDNAの塩基配列決定法を開発した。J Rothbergたちによれば、この新しい手法では4時間の1ランでDNAの構成単位である塩基2,500万個の配列を99パーセント以上の正確さで決定できるという。 Rothbergたちは、それぞれ異なる何十万個ものDNA分子をまず増幅し、次に60×60平方ミリメートルのプレート上の微細な反応槽を使って、すべての塩基配列を同時に決定するというやり方で、このような高速・高精度という離れ業を実現した。塩基配列決定反応の測定には光を用いている。 Rothbergたちはこの方法を使って、マイコプラズマの一種(Mycoplasma genitalium)のすでに解読されたゲノム(580,069塩基)の塩基配列を、わずか4時間の1ランで再解読した。小型化を進めてもっと多数の反応が同時に行えるようになれば、さらなる高速化も望めると著者らは述べている。 2005年9月15日号の Nature ハイライト 地震:記録史上最大の地震は400年にわたり準備されていた 生理:アテローム性動脈硬化症についての力の入った発見 進化:母娘で配偶相手を共有するコウモリ 宇宙:奇妙なクエーサー 遺伝:ずっと迅速なDNA塩基配列決定法 : 目次へ戻る