アテローム性動脈硬化症と呼ばれる心臓血管疾患では、血流が乏しい、あるいは乱れている血管領域にアテローム斑が蓄積する。血管の内側を覆っている内皮細胞は、血管壁に対する機械的ストレスの異常なパターンを何らかの方法で感知する。 M A Schwartzたちは、血管内皮細胞に発現している3つのタンパク質がこの機械的ストレスの感知に必要であることを示している。さらに、各タンパク質が、細胞内部で機械的な力を生化学的シグナルに変換する際に異なった役割を担っていることも明らかにしている。この新たな発見は、血流の乱れが内皮細胞を刺激し、アテローム斑形成を引き起こす仕組みを知る手がかりとなる。したがってこの結果は、アテローム性動脈硬化の発生をくい止める新薬の発見につながる可能性がある。