Nature ハイライト
Cover Story:量子井戸でできたメタマテリアル:長波長の赤外放射を捉える室温検出器
Nature 556, 7699
表紙は、金属共振器のメタマテリアルアレーでできた量子井戸赤外線光検出器の走査型電子顕微鏡画像である。長波長帯(8~12 μm)の赤外線を検出する技術は存在するが、高速かつ高感度のデバイスには低温動作が必要になるため、用途が限定されている。今回D Palaferriたちは、フォトニックメタマテリアルの概念と量子井戸赤外線光検出器の組み合わせによって、電波に対して開発されたヘテロダイン検出によく似た超高感度コヒーレント検出がどのように実現されるかを示している。長波長赤外放射の室温での検出感度が向上したことから、熱画像化や環境リモートセンシングからコヒーレントな自由空間通信まで、さまざまな応用が開拓される可能性がある。
2018年4月5日号の Nature ハイライト
物性物理学:ねじれグラフェンが電子の相互作用を強くする
構造生物学:RAGAに作用するGTPアーゼ活性化タンパク質を抑制する
天文学:銀河系中心にある多くのブラックホール
材料科学:結晶の誕生を観察する
水文学:河川工事によってミシシッピ川の増水が悪化する
微生物学:持続生残細菌に効く薬剤
免疫学:イタコン酸の抗炎症効果
構造生物学:インスリンが結合したインスリン受容体の構造
構造生物学:マウス二孔型チャネルの構造