Nature ハイライト
心血管疾患:駆出率の保たれた心不全を理解する
Nature 568, 7752
駆出率の保たれた心不全(HFpEF)は、心不全による入院患者の約半数を占める。駆出率の低下する心不全(HFrEF)には治療法があるが、HFpEFには効果的な治療薬がなく、その病態生理もほとんど解明されていない。J Hillたちは今回、この症候群の臨床的特徴のほとんどを再現するHFpEFのマウスモデルを新たに開発し、この疾患の発症機序を明らかにしている。著者たちは、心筋細胞の機能障害の原因となる重要な機序は、UPR(unfolded protein response)のエフェクターの1つが誘導型NOシンターゼ(iNOS)によって調節異常となることであり、iNOSを阻害すればこのモデルで疾患表現型が緩和されることを示した。
2019年4月18日号の Nature ハイライト
加齢:皮膚の老化
心血管疾患:駆出率の保たれた心不全を理解する
大気科学:雷の針状構造
量子光学:量子反作用に耳を傾ける
物性物理学:極性スキルミオン
神経科学:齧歯類における、ベクトルを基礎にしたナビゲーション符号化
ウイルス学:HIV-1エンベロープタンパク質のコンホメーション状態
構造生物学:反復性脳損傷で見られるタウ繊維中に含まれる補因子らしきもの