Nature ハイライト
触媒:温和なアンモニア合成方法
Nature 568, 7753
肥料、ひいては世界の農業がアンモニアに依存している。アンモニアは現在、大気中の窒素からハーバー・ボッシュ法によって高温高圧条件下で合成されている。そのため、遷移金属錯体が温和な条件下で窒素を還元してアンモニアに変換できるという発見が、大きな関心を集めている。芦田裕也(東京大学)たちは今回、プロトン源として単純なアルコールまたは水を用いると、モリブデン錯体によってかつてない速い速度でアンモニアを合成できることを報告している。この系には化学量論量の二ヨウ化サマリウムが必要であるが、今回の知見は、次世代型の窒素固定システムを開発できる可能性があることを示している。
2019年4月25日号の Nature ハイライト
地球化学:沈み込み帯前弧で失われる炭素
神経科学:音声を作る神経機能代替技術に向けて少し前進
微生物学:ヒト腸内微生物相の構成をこれまでにない分解能で明らかにする
医学研究:MSI腫瘍におけるWRNの合成致死性
惑星科学:火星にメタンは見つからなかった
惑星科学:火星大気への砂嵐の急速な影響
触媒:温和なアンモニア合成方法
細胞生物学:抵抗の最も少ない道に向かう
構造生物学:代謝の中心的酵素の解明