Nature ハイライト
細胞生物学:抵抗の最も少ない道に向かう
Nature 568, 7753
動物細胞は、発生、免疫監視、がんの転移の際に、組織の3D環境中を動き回る。しかし、細胞が出合う孔の直径より、細胞の直径の方が大きいことはよく起こる。上皮細胞などの一部の細胞は、進路を阻む細胞や細胞外マトリックスを、酵素を使って取り除く。しかし免疫系の白血球のようなアメーバ様細胞はこのような機構を使っておらず、どうやって移動しているのかはよく分かっていなかった。M Sixtたちは今回、白血球は最も抵抗の少ない道を選ぶために、その最大の細胞内区画である核を使って機械的測定を行って適したサイズの孔を探り出し、その一方で、細胞質の突起はもっと小さい孔を調べていることを明らかにしている。かさばる細胞小器官である核とそれに連結した微小管形成中心が孔にはまることが分かれば、細胞はもっと柔軟な細胞質性突起を微小管を使って引っ込め、より大きな孔の方を通って進んで行く。
2019年4月25日号の Nature ハイライト
地球化学:沈み込み帯前弧で失われる炭素
神経科学:音声を作る神経機能代替技術に向けて少し前進
微生物学:ヒト腸内微生物相の構成をこれまでにない分解能で明らかにする
医学研究:MSI腫瘍におけるWRNの合成致死性
惑星科学:火星にメタンは見つからなかった
惑星科学:火星大気への砂嵐の急速な影響
触媒:温和なアンモニア合成方法
細胞生物学:抵抗の最も少ない道に向かう
構造生物学:代謝の中心的酵素の解明