【進化】RNAウイルスの進化
Nature
脊椎動物のRNAウイルスは、地質学的な時間スケールを超えて宿主と共に進化してきたことを報告する論文が、今週掲載される。今回の研究は、RNAウイルスの多様性に関する我々の理解を深めるものであり、RNAウイルスの進化史に新たな手掛かりをもたらしている。
RNAウイルスは、脊椎動物の多くの注目すべき疾患(例えば、インフルエンザ、C型肝炎、エボラウイルス感染症)を引き起こす多様なウイルス群だが、これまでのRNAウイルス研究の重点は、哺乳類と鳥類のRNAウイルスにあった。今回、Yong-Zhen Zhangたちの研究グループは、魚類、爬虫類、および両生類のRNAウイルスを調査した。この論文では、約200種のRNAウイルスが新たに説明されており、哺乳類と鳥類に感染することが知られている脊椎動物特異的なウイルスのファミリー(インフルエンザウイルス、フィロウイルス、ハンタウイルスなど)が両生類、爬虫類、および魚類にも存在していることが明らかにされている。
Zhangたちは、脊椎動物のRNAウイルスの進化史はその宿主の進化史とほぼ一致しており、これらのRNAウイルスの進化が数億年前に始まったことが示唆されると結論付けている。
Vertebrate RNA viruses evolved alongside their hosts over geological timescales, a paper published online in Nature this week reports. The study, which expands our understanding of RNA virus diversity, sheds light on the evolutionary history of this important group of viruses.
RNA viruses are a diverse group that cause many notable diseases in vertebrates, such as influenza, hepatitis C and Ebola virus disease, but to date most attention has been focused on RNA viruses of mammals and birds. In this study, Yong-Zhen Zhang and colleagues survey the RNA viruses of fish, reptiles and amphibians. They describe around 200 new viruses and find that every vertebrate-specific viral family known to infect mammals and birds - including influenza viruses, filoviruses and hantaviruses - is also present in amphibians, reptiles or fish.
The evolutionary history of these viruses broadly matches that of their hosts, which suggests that they may have first evolved many hundreds of millions of years ago, the authors conclude.
doi: 10.1038/s41586-018-0012-7
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