2018年12月号Volume 15 Number 12

宇宙ゴミ問題に打つ手はあるか

地球周回軌道上では2万個以上の人工物が高速で飛び交っていて、運用中の人工衛星は日々、それをよける操作に時間と燃料を費やしている。宇宙ゴミの密度は近年急速に上昇しており、ガラクタ同士が衝突すれば「弾丸」はますます増えるという悪循環に陥るが、事故を防ぐために必要な位置情報は、各国がほとんど公開しない。早急な対策が求められる中、除去を目指す案のいくつかが試験段階に入った。

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2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)。2016〜2030年の15年間で17の目標の達成を目指す。そのために、学際的なサステイナビリティ研究が果たす役割は何か。2018年9月20日、国連大学(東京・渋谷)で、本タイトルの下、多分野の専門家が集まり熱心な議論が行われた。このイベントは、最先端のサステイナビリティ研究を掲載するNature Sustainability が、2018年1月に創刊されたのを機に企画された。
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Editorial

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News

哺乳類の発生には、母親由来のゲノムと父親由来のゲノムが必要だ。このほど、卵と精子のゲノム機能の差異の解析がさらに進み、二母性マウスだけでなく、二父性マウスも初めて作出された。

タンポポの種子に付いているふわふわの冠毛は隙間が多いが、この隙間が飛行を持続させるカギのようだ。

1回目の異端審問で証拠とされたガリレオの手紙には版が2つある。ガリレオは、主張の柔らかい方が原本で、裁判所には手が加えられたものが送られたと周囲に話していたが、事実は異なるようだ。

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News Feature

地球周回軌道にはゾンビ衛星やロケットの残骸、衝突によって生じた破片など、2万個以上の人工物があり、大きな交通リスクとなっている。研究者らは、宇宙ゴミがもたらす脅威を減じる方法を模索中だ。

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News & Views

スルホキシイミン系の農薬への曝露が、マルハナバチのコロニーに重大な悪影響を与えることが示された。この知見は、ハチを殺虫剤にさらすリスクへの懸念がネオニコチノイド類のみに限定されるべきではないことを示唆している。

木星の磁場は、他のあらゆる既知の惑星の磁場と異なっていることが分かってきた。この観測結果は、大惑星(木星型惑星)の内部構造の解明に大きな意味を持つ可能性がある。

酵母細胞のほとんどのタンパク質複合体は、そのサブユニット群の合成が完了する前に組み立てが始まっていることが分かった。この機構は、タンパク質が細胞毒性を示す凝集体になることを防いでいる可能性がある。

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News Scan

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