2005年5月号Volume 2 Number 5
Editorial
News Features
The X factor
女性の象徴とでもいうべきX染色体の配列は、「ヒトをヒトたらしめるもの」について考える遺伝学者にとって格好の研究対象だ。Erika Checkが報告する。
ボース・アインシュタイン凝縮から10年
1995年、超低温で気体が量子力学的ふるまいを示す現象、「ボース・アインシュタイン凝縮」が初めて実現された。以降、この研究は新分野を切り開いてきた。それから10年。ボース・アインシュタイン凝縮にひきつけられる物理学者の数は増え続けている。この誕生10周年を祝うパーティーにKaren Foxが参加した。
ご先祖様を探して:「ホビット」発見の舞台裏
昨年インドネシアで新種の原人化石を発見した研究チームが再びこの地で、自分たちの説に味方してくれそうな人骨を求めて調査を始めている。Rex Daltonが同行取材した。
News & Views
起こったことと、次に起こること
2004年12月26日に起こった大地震とそれがもたらした津波は、インドネシアのアチェ沖からアンダマン諸島に向けて海底が裂けたことが原因だった。この時の状況が明らかになりつつある。
マリファナと心臓
マリファナ喫煙は心臓に害を及ぼしかねない。しかし、その有効成分のなかには、冠動脈疾患の炎症を緩和して進行を遅らせる作用をもつものがある可能性がでてきた。
muse@nature.com
自分でDNA検査ができるのは良いことなのか
家庭用遺伝子検査キットの種類が増え、数々の法的問題や倫理的問題が生まれている。選択の自由が必ずしも権利の拡張につながるわけではない、とPhilip Ballは言う。
Nature Jobs & Events | 研究者訪問
リングを形づくるセプチンタンパク質の機能を探る
私たちの体を構成する細胞は、ある一定の形態を保ちつつ、細胞分裂や輸送といったダイナミックな動きをみせている。こうした多様な機能に、「セプチン」とよばれるタンパク質ファミリーが深く関与していることがわかってきた。京都大学大学院医学研究科先端領域融合医学研究機構 生化学・細胞生物学グループリーダーの木下専博士は、これまで一貫してセプチンの構造と機能の解明に取り組んできた。木下博士は、独立行政法人科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業「生体分子の形と機能」領域のさきがけ研究者も兼任している。
News
専門家が警告するテロ攻撃による原発火災の危険
核燃料貯蔵施設の安全確保手段は改善の必要があると米国で報道されている。
クローンウシの安全宣言
ただし、遺伝子工学の研究が生み出す食品に対する抵抗感は冷めやらぬ。
ゴシップ探しで流行病を防止
鳥インフルエンザやその他の命にかかわるような流行病への対策として、一風変わった武器が活用されようとしている。公衆衛生の専門家が、うわさ話に聞き耳を立てるシステムを世界的に広げたいと考えているというのだ。
「百科事典」革命
2001年1月、ウェブのパワーに刺激を受けたJimmy Walesは、仲間とともにオンライン百科事典「ウィキペディア」を立ち上げた。ウィキペディアとは、数多くの人々のコラボレーションによって多言語のリファレンスツール(事典)を作り上げるというプロジェクトである。ウィキ技術という自分のウェブサイト以外の特定のサイトをユーザーが自由に修正するための技術を利用して、ウィキペディアの特定のページを修正したり、まったく新しいページを加えたりしていく。news@nature.comの記者Roxanne Khamsiが、サンディエゴ(米国カリフォルニア州)で開催されたオレイリー社のEmerging Technology会議に出席していたWalesにインタビューした。
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