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【がん】急性骨髄性白血病の再発の起源を同定する

Nature

2017年6月29日

Cancer: Identifying sources of acute myeloid leukaemia relapse

Nature

急性骨髄性白血病(AML)は、2種類の白血病細胞集団のうちの1つが存在していることを原因として再発するという結論を示した論文が、今週のオンライン版に掲載される。AMLの再発に異なるパターンがあることが明らかになったことで、AMLの管理とモニタリングの方法の改善につながる可能性が生じている。

AMLの場合、患者の大半が寛解後に再発するため、患者の長期生存率は低い。しかし、治療の失敗の機構と白血病幹細胞の再生能力を明らかにするのは難題となっている。

今回、John Dickたちの研究グループは、AML患者11人から診断時と再発時に採取した単核血球のサンプルを用いて、診断時に既に存在していた薬剤抵抗性細胞と2つの異なる経路を同定し、それらがAMLの再発を引き起こしたことを明らかにした。1つの患者群(未分化細胞を再発起源とする)の場合には、治療開始前の診断時にまれな白血病幹細胞集団が既に存在していたことを原因として再発したことが明らかになった。これに対して別の患者群(拘束細胞を再発起源とする)の場合には、幹細胞の転写シグネチャーを保持していた白血病細胞集団が原因となって再発していた。以上の新知見は、この2つの患者群におけるAMLの再発が、同定された細胞の幹細胞特性と結びついていることを示唆している。

今回の研究で得られた知見は、AMLの治療法には、大半を占める腫瘍細胞集団の根絶だけでなく、がん幹細胞を効果的に狙い撃ちできることが求められるという考えを裏付けている。

doi: 10.1038/nature22993

英語の原文

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