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ウイルス学:マウスモデルとハムスターモデルでSARS-CoV-2オミクロン変異株の病原性が低いことが分かった

Nature

2022年1月21日

Virology: Omicron exhibits reduced pathogenicity in mouse and hamster models

Nature

前臨床齧歯類モデルの研究で、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)オミクロン変異株の感染力と病原性が低いことが判明したと報告する論文が、Nature に掲載された。

今回、SARS-CoV-2 Assessment of Viral Evolutionプログラムの共同研究ネットワークを構成するMichael Diamond、河岡義裕(かわおか・よしひろ)(ウィスコンシン大学マディソン校教授、東大医科学研究所教授)、Adrianus Boonと複数の独立した研究室に所属する研究者たちは、マウスとハムスターにおけるオミクロン株の感染力と病原性を評価する研究を実施した。また、これとは別に、複数系統のマウスにオミクロンの単離株を注射する実験が行われ、これらのマウスが、以前の変異株に感染したマウスの場合とは異なり、体重が減少しないという観察結果が得られた。また、マウスの気道におけるウイルス量を比較したところ、オミクロン株はベータ株よりウイルスRNAと感染性ウイルスの量が少ないことがわかった。例えば、ある一連の実験では、オミクロン株に感染したマウスの鼻と肺におけるウイルス量は、ベータ株に感染したマウスの感染3日後のウイルス量の10分の1から100分の1にとどまった。

ヒトACE2受容体を発現するシリアンハムスターとトランスジェニックハムスターを用いた実験でも、オミクロン株に感染した個体に体重減少は起こらなかった。オミクロン株による肺感染症、臨床疾患と病変も、デルタ株を含む他の懸念される変異株と比べて軽症だった。

著者たちは、オミクロン株に感染した齧歯類モデルの症状が軽くなる根本的機構を解明し、これがヒトのオミクロン株感染とどのように関連するのかを明らかにすることを目的とした実験が進行中であることを指摘している。

doi: 10.1038/s41586-022-04441-6

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