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【ゲノミクス】トコジラミが殺虫剤抵抗性を示すまでの過程

Scientific Reports

2013年3月14日

Genomics: How bed bugs resist insecticides

Scientific Reports

ある種の殺虫剤に対するトコジラミの抵抗性に関連する14種の分子マーカーが同定された。今回の研究は、トコジラミの複雑な適応戦略に関する解明を進め、最も効果的で持続可能なトコジラミの防除法の設計にも役立つ可能性がある。

ピレスロイド系殺虫剤は、安全、有効、低コストであるため、トコジラミの防除用として一般的に用いられているが、この殺虫剤に対する抵抗性が大きく広まっている。今回、S Palliたちは、トランスクリプトーム解析を用いて、トコジラミ(Cimex lectularius)のピレスロイド抵抗性に関連する分子マーカーを同定し、21のトコジラミ集団に対する分子マーカーの相対的寄与度を評価した。

Palliたちは、ピレスロイド抵抗性に関連する遺伝子の種類が多岐にわたり、いずれも外皮の表皮層(殺虫剤が標的部位に到達する前に通過しなければならない最初の細胞障壁として働く丈夫な外殻)で発現することを報告している。ピレスロイド抵抗性関連遺伝子が外皮で発現することで、殺虫剤の浸透を減らし、毒素の輸送を増やし、無毒化作用を高めている可能性があるという考え方をPalliたちは示している。以上の新知見の機能面での意義を十分に理解するためには、さらなる研究が必要とされる。

doi: 10.1038/srep01456

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