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HIVの防御に対し、攻撃を加える

Nature Biotechnology

2013年10月7日

Playing offense to HIV’s defense

Nature Biotechnology

HIVが治療用抗体に対して抵抗性を獲得した後で、再びこの抗体の作用を復活させる方法が報告されている。HIV-1の多数の系統に対して効果を示す抗体を作製する方法の詳細な説明に加えて、著者たちは、ここで述べた作製方法が、他の治療用抗体の改良にも役立つ可能性があると考えている。

この研究で用いられた抗体イバリズマブは、HIV-1が細胞に侵入する際に利用する受容体を阻害することにより活性を示す。しかし、イバリズマブを投与した患者の一部では、HIV-1に特定の変異が生じ、その系統はこの抗体に対する抵抗性を獲得する。構造研究の結果、これらの変異によってHIV-1とイバリズマブの間に隙間が生じ、両者の結合が緩むことが明らかになった。

David Hoたちはこの隙間がHIV-1の抵抗性に寄与していると考え、これを「埋めて」やれば、ウイルスの抗体回避作戦に対抗できるのではないかと推論した。この理論を検証するために、Hoたちはイバリズマブのウイルス結合部位の周辺に糖鎖を付加した。この糖鎖付加した抗体は、付加していない抗体に対して抵抗性を示すHIV-1系統も含め、調べたHIV-1系統全てを中和した。

doi: 10.1038/nbt.2677

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