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【神経科学】デザイナー受容体によるてんかん治療

Nature Communications

2014年5月28日

Neuroscience: Using designer receptors to treat epilepsy

Nature Communications

焦点性てんかんのラットの脳内で、特定の医薬品に反応するように作られた受容体を発現させたところ、てんかんの発作の軽減に有効なことが分かった。この方法は、現行の治療薬に応答しないタイプのてんかんの治療に有益な戦略となる可能性がある。研究の詳細を報告する論文が、今週掲載される。

焦点性てんかん発作は、神経障害の主たる原因の1つとなっている。残念なことに、この種のてんかんは、治療が難しいことがよく知られている。しかし、これまでの数々の研究によって、こうした発作を光遺伝学的手法(遺伝子操作された脳内のニューロンの活動を光によって低下させる手法)で軽減する可能性が示唆されていた。ただし、このアプローチでは、発作を必要に応じて止めるために導光装置の侵襲的移植が必要となる。今回、Dimitri Kullmannたちは、侵襲性のかなり低い方法を用いて、DREADDという特製の阻害性受容体を焦点性てんかん発作のラットの脳内で発現させ、クロザピン-N-オキシドという薬剤を用いて、この受容体を活性化させた。その結果、この受容体が活性を保っている間、この方法で発作が軽減されることが分かった。

今回は、光遺伝学的手法で十分な速さでの発作の軽減ができなかったが、Kullmannたちは、この手法が比較的に非侵襲的であり、治療薬の効果が脳内の広い領域に及ぶ可能性があるため、臨床応用の可能性がかなり高いと結論づけている。

doi: 10.1038/ncomms4847

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