注目の論文
アジアのほうに引っ張るインド
Nature Geoscience
2010年1月11日
India pulled towards Asia
インドが中央アジアに向けて現在も移動中なのは、インド大陸プレートから下向きに引っ張られているからであるとの報告が、 Nature Geoscience(電子版)に寄せられている。この研究は、5,500万~3,000万年前の間に起きたインドとアジアの衝突とその後の収束を支配した力について、異なった解釈を提示している。
F Capitanioらは数値モデルを用いて、おそらく地球上の大陸プレートでは最も劇的な収束であった、アジアとインドの大陸プレートが衝突した際の力の釣り合いについて調べた。彼らは、上部地殻が衝突帯に引きずられると、インドプレートはその下のマントルよりも密度が高く、インドをアジアのほうに引っ張り続けることを見いだした。著者らは、したがって、ヒマラヤ山脈を生成した2つの大陸プレートの衝突は、インドプレート全体がその下のマントルに沈み込むためには十分に重いので、プレート運動を止めるようには働かなかったと示唆している。
関連するNews and Viewsの記事でD Mullerは、「Capitanioらは、インドとアジアの衝突前後に起きた一連の出来事を理解するという長期にわたる問題に、新しい見方を提示している」と述べている。
doi: 10.1038/ngeo725
注目の論文
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications
-
11月12日
惑星科学:ボイジャー2号が天王星をフライバイしたのは太陽の異常現象の最中だったNature Astronomy
-
11月12日
気候変動:南極の氷が人為的な温暖化が1.5℃の温暖化の限界に近づいていることを示唆しているNature Geoscience
-
11月8日
気候変動:プライベート航空による二酸化炭素排出量の大幅な増加Communications Earth & Environment
-
11月7日
地球科学:インドプレートとユーラシアプレートの収束の加速を説明するNature
-
10月25日
保護:深刻な絶滅の危機に瀕するスマトラトラに対してより大きな保護が必要Scientific Reports