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【地球科学】サントリーニ火山噴火に伴う津波に関する新説

Nature Communications

2016年11月9日

Earth sciences: New theory for Santorini tsunami

後期青銅器時代のサントリーニ火山噴火後に起こった大洪水の原因は、火山物質を含んだ火砕流が海中に流れ込んだことだったという考えを提唱する論文が、今週掲載される。今回の研究は、この火山噴火に伴う津波の発生に関するこれまでの説明に異議を唱えている。

後期青銅器時代のサントリーニ火山噴火による津波は、ミノア文明の終焉につながる要因の1つだったとする学説がある。9 m以上の高波があったことを示す証拠が、ギリシャのクレタ島のミノア遺跡の発掘現場で見つかっている。これまでの研究では、カルデラ(火山クレーター)が海側に崩壊したことが噴火後の津波の原因だったという考えが示されているが、今回、Paraskevi Nomikouの研究グループは、これとは異なる学説を提示している。Nomikouたちは、カルデラ下の海底とその周辺の地形を分析して、中心的な噴火が起こった時にカルデラは崩壊していなかったことを示唆する証拠を発見した。そして、Nomikouたちは、噴火後に海峡が形成されてカルデラと海がつながり、2日もたたないうちにカルデラが水で一杯になったが、この洪水事象によって津波が発生した可能性は低いという見解を示している。

Nomikouたちは、むしろ、海中に急激に流れ込んだ大量の火山砕屑物が十分な量の水を移動させて津波が発生した可能性があると考えている。この学説は、サントリーニ島沖で見つかった最大厚さ60 mの火砕堆積物によって裏付けられていると考えられる。

doi: 10.1038/ncomms13332

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