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【鉱物学】宇宙から飛来した隕石から見つかった新しい準結晶

Scientific Reports

2016年12月9日

Mineralogy: A new quasicrystal from outer space

Scientific Reports

新しい準結晶の発見を詳細に報告する論文が、今週掲載される。これは、ロシア東部のハトゥイルカ付近に落下した隕石の破片に含まれていた準結晶性鉱物であり、天然の準結晶が実験室合成に先立って発見されたのは今回が初めてだ。

準結晶は、結晶に似た構造を有しており、原子が規則正しく配置されているが、正確な繰り返しパターンになっておらず、多数回の回転対称性を持ち得る。新しい準結晶は、2011年に実施されたロシア極東のコリャーク山脈の探検で回収されたハトゥイルカ隕石の破片の中から見つかった。

今回、Paul Steinhardtの研究チームは、ハトゥイルカ隕石に含まれる鉱物粒子において新たな組成を同定した。なお、この鉱物粒子には、天然鉱物のイコサヘドライトも含まれている。Steinhardtたちは、この新しい準結晶がイコサヘドライトのように正二十面体対称(60回回転対称)を持つことを指摘し、衝撃(例えば、宇宙における天体との衝突)による融解を経て、高圧下で結晶化したという考えを示している。また、Steinhardtたちは、この新しい準結晶が、地球上でわずか3例目の天然の準結晶の発見であり、いずれもハトゥイルカ隕石から見つかっていることも指摘している。

doi: 10.1038/srep38117

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