注目の論文
危険なほどの重力は星とブラックホールの関係を燃え上がらせる
Nature Astronomy
2016年12月13日
Fatal attraction burns bright between star and black hole
今週のオンライン版で発表される論文によると、大質量の回転しているブラックホールが、非常に近いところをさまよった星を引き裂くところが捉えられた。このシナリオは、昨年チリの自動化された望遠鏡によって検出された明るいフレアの原因に関する最新の解釈である。
天文学者たちはこの事象(ASASSN-15lh と名付けた)を当初は超新星爆発に分類したが、実際はこれまで観測された最も明るい事象だった。しかし、Giorgos Leloudasたちは継続的な観測から、その事象がブラックホールの重力的な影響によって分裂している星であるという、別の説明を提案した。これらのいわゆる潮汐破壊事象の多くはこれまでも観測されているが、著者はこの例が最も明るいものと評価されると指摘した。
研究チームは10か月間の観測計画を実行し、これらのデータとハッブル宇宙望遠鏡やスウィフトガンマ線バーストミッション、それに地上に設置された望遠鏡から集められた追加データを結びつけた。研究チームはこのデータから、フレアはブラックホールが存在すると予測されている銀河のまさに中心部を起源とすることを示した。研究チームは、親銀河が大質量で、現在の星形成活動が見られないことは、超新星爆発と矛盾することも指摘している。
doi: 10.1038/s41550-016-0002
注目の論文
-
12月19日
天文学:月の年齢はより古いNature
-
12月19日
気候変動:南極の海氷減少が嵐の発生を促すNature
-
12月17日
惑星科学:土星の環が若々しい外観を保っている理由Nature Geoscience
-
12月12日
天文学:Firefly Sparkleが初期の銀河形成に光を当てるNature
-
12月11日
気候変動:世界的な観光産業による二酸化炭素排出量は増加し、不平等であるNature Communications
-
12月10日
Nature's 10:2024年の科学に影響を与えた10人Nature