注目の論文
銀河系外のボイドが銀河系を押し出している
Nature Astronomy
2017年1月31日
Extragalactic void pushes Milky (a)Way
私たちの銀河系の隣に位置する、銀河のほとんどない巨大な領域の存在についての報告が、今週掲載される。この銀河系外のボイドは、私たちの局部銀河群に反発力を及ぼし、銀河系の宇宙の軌道に影響する重力に寄与しているようである。
そのようなボイドの存在はこれまでも提案されていたが、銀河が存在しないことの観測的な確証を得ることは困難であるとされていた。Yehuda Hoffmanたちは、銀河系周辺の銀河における特異速度(宇宙の膨張速度を超える速度)を代わりに研究し、特異速度の異なるデータセットとそれらの特性の精密な統計的解析を結び付けた。この研究で、Hoffmanはダイポール・リペラー(双極反発子)と定義したボイドから銀河が流れ出ていることを明らかにした。シャプレー・アトラクターと呼ばれる、銀河を集結させる既知の引力とともに、Hoffmanたちは2つの力が銀河系の運動を支配していると提案する。
ダイポール・リペラーの特定は、銀河系の特異速度(およそ時速200万キロメートル)の方向と大きさの両方の観測と最終的に一致する。このボイドにあると予想されるわずかな銀河の直接的な検出と、何もない領域から遠ざかり、強い重力集中の領域に向かう銀河の流れの直接的な確認には、可視光や近赤外および電波の波長による将来的な超高感度探査が必要となる。
doi: 10.1038/s41550-016-0036
注目の論文
-
12月19日
天文学:月の年齢はより古いNature
-
12月19日
気候変動:南極の海氷減少が嵐の発生を促すNature
-
12月17日
惑星科学:土星の環が若々しい外観を保っている理由Nature Geoscience
-
12月12日
天文学:Firefly Sparkleが初期の銀河形成に光を当てるNature
-
12月11日
気候変動:世界的な観光産業による二酸化炭素排出量は増加し、不平等であるNature Communications
-
12月10日
Nature's 10:2024年の科学に影響を与えた10人Nature