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【気候科学】間氷期の時期を予測するための簡単なルール

Nature

2017年2月23日

Climate science: Simple rule predicts timing of interglacials

Nature

間氷期(氷期と氷期の間の比較的温暖な期間)の時期を決める簡単なルールについて説明する論文が、今週のオンライン版に掲載される。今回の研究では、このルールが気候や大気のデータを必要とせずに過去数百万年のそれぞれの間氷期を正しく予測できることが明らかになった。

北半球の氷床の拡大と収縮の進度は、地球の軌道と地球の自転軸の傾きのわずかな変化によって決まる。今から約260~100万年前には、こうした変化により間氷期が約41,000年の周期で始まっていた。ところが過去100万年間に間氷期の発生頻度は低下し、約10万年に1回になった。これまでに公表されたモデルで、このパターンは再現されているが、多くのモデルは、さまざまな情報(例えば、二酸化炭素濃度)を入力する必要があり、過去100万年間の間氷期のパターンと時期を完全に予測できるものはない。

今回、Chronis Tzedakisの研究チームは、北緯65度における夏季6カ月間の太陽光の1日平均曝露量と直近過去の退氷からの経過期間だけを用いて、過去100万年間の個々の完全な退氷を正確に予測できる統計モデルを開発した。

一方、Stephen Meyersたちの論文では、地球の軌道変動が無秩序状態で、約5000万年前より前の間氷期の時期については、年代記に確実な基準点が見つからない限り、予測不能である可能性が非常に高いとする学説の正当性が確認されている。Meyersたちは、現在のコロラド州にあたる地域の古地層を調べて、そうした基準点を発見し、地球の軌道と火星の軌道の相互作用が8500万年~8700万年前に変化したと結論づけている。Meyersたちが得た知見は、太古の地球における気候的要因と天文学的要因の関連を再現するために条件を絞り込む際に役立つ可能性がある。

同時掲載のDidier PaillardのNews & Views記事には次のように記されている。「気候過程と堆積学的過程が、天文学的強制力に対してかなり単純な応答を示しているのに(これらの)惑星が結局それほど予測可能な存在でないのは、皮肉と言えば皮肉な話である」。

doi: 10.1038/nature21364

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