注目の論文
【天体物理学】「くらげ」銀河の超大質量ブラックホールにガスが供給される仕組み
Nature
2017年8月17日
Astrophysics: Jellyfish galaxies feeding supermassive black holes
「くらげ」銀河の超大質量ブラックホールにガスが供給される仕組みに関する仮説を示した論文が、今週掲載される。
ほとんど全ての銀河の中心部分には超大質量ブラックホールがあると考えられているが、物質の降着によって高エネルギーの活動銀河核(AGN)が形成されているものは非常に少ない。くらげ銀河は、長いガスの「触手」と新しく生まれた星によってくらげに似た外観を呈していることを特徴としている。こうした特徴は、銀河団内物質(銀河団内の銀河間に存在するガス)中での銀河の運動によってガスが流出していること(ラム圧による剥ぎ取り現象というプロセス)を示すものと考えられている。
今回、Bianca Poggiantiたちの研究グループは、7つのくらげ銀河を観測し、そのうちの6つの銀河内にAGNが存在していることを報告している。Poggiantiたちは、これらの銀河からガスが剥ぎ取られている原因となっているラム圧が、銀河の中心部分にある超大質量ブラックホールに向けてガスを誘導してAGNの活動も引き起こしている可能性があるという仮説を示している。
doi: 10.1038/nature23462
注目の論文
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月21日
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
11月20日
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications
-
11月19日
気候変動:パリ協定を達成するために、CO2の受動的吸収を計算から分離するNature
-
11月18日
惑星科学:嫦娥6号のサンプルが裏側の月火山活動の年代を特定Nature
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications