注目の論文
温暖化を1.5℃に制限することと適合する炭素放出
Nature Geoscience
2017年9月19日
Carbon emissions compatible with limiting warming to 1.5 °C
パリ協定により設定された1.5℃の目標を達成することは不可能ではないが、現在の排出削減に対する公約を強化することが必要になるだろうということを示唆する研究結果が今週掲載される。この論文は、この目標に適合するために残された炭素排出予算はこれまで考えられていたよりも大きいことを示している。
人類由来の温暖化は、2015年の全球平均地表温度を19世紀半ばよりも約0.93℃上昇させている。
Richard Millarたちは、単純な炭素-気候モデルを、気候システムの主要な特性および現在の気候状態と共に用いて、温暖化を1.5℃に制限することと適合する残された炭素予算を評価した。著者たちは、二酸化炭素放出を継続して下方に調節して将来の総炭素放出量を250から540GtCにするだけでなく、二酸化炭素以外の温室効果ガスを大胆に削減することが、2100年までに温暖化を産業革命前と比較して1.5℃に制限することと適合すると計算している。彼らは、透明な方法に基づく人類起源の温暖化の定期的な更新が、各国の気候変動低減への公約を調整することに役立つだろうと示唆している。
同時掲載されるGunnar MyhreらのCorrespondenceによると、大気中二酸化炭素濃度の人類起源の増加による温室効果は、産業革命以前の条件と比較して2倍になるまでの中間点に達している。濃度自体はまだ中間点には達していないが、これは全球温暖化が展開していく上での象徴的な地点である。
doi: 10.1038/ngeo3031
注目の論文
-
2月19日
生態学:深海の生態系を調査するNature Communications
-
2月13日
動物の行動:カメは磁気地図が食べ物に導くと踊るNature
-
2月11日
地球科学:地球の内核の変化を検出Nature Geoscience
-
2月11日
気候変動:2024年の気温がパリ協定の目標に与える影響の評価Nature Climate Change
-
2月6日
遺伝学:古代のゲノムがヤムナ文化の起源の手がかりとなるNature
-
2月5日
惑星科学:月のグランドキャニオンの形成Nature Communications