注目の論文
変動する気候では嵐の軌跡は極よりになる
Nature Geoscience
2017年11月14日
Storms track further poleward under climate change
温暖化する気候では、中緯度の嵐は、最大強度に達する前に極に向かってさらに移動し、中緯度の気象に重大な影響をもたらす可能性があるという報告が今週掲載される。この研究は、局所的な気象と気候への影響は、米国西海岸や英国といった北東海洋境界に近い地域で最も大きくなる可能性があると示唆している。
熱帯外の低気圧嵐は、強い降雨と風と関係することが多い。気候モデルシミュレーションに基づくと、変動する気候においては、うした嵐の軌跡は極よりにシフトすると予想されるが、その背景にある支配的な機構については議論となっている。
Talia Yamarin-BrodskyとYohai Kaspiは、最先端の20の気象モデルで得られたシミュレーションを、嵐の個々の軌跡を特定できるアルゴリズムを用いて解析した。彼らは、嵐の活動の極よりのシフトの大部分が、より長い伝播距離の結果である可能性を見いだしている。より長い伝播距離の原因は、大気上層におけるより強い風と、大気中の水蒸気濃度の増加であることが示唆された。
doi: 10.1038/s41561-017-0001-8
注目の論文
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月21日
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
11月20日
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications
-
11月19日
気候変動:パリ協定を達成するために、CO2の受動的吸収を計算から分離するNature
-
11月18日
惑星科学:嫦娥6号のサンプルが裏側の月火山活動の年代を特定Nature
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications