注目の論文
【地球科学】地球のマントルの動きがナイル川を3000万年にわたって維持してきた
Nature Geoscience
2019年11月12日
Geoscience: Earth’s mantle motion has kept Nile stable for 30 million years
ナイル川の排水路は過去3000万年にわたって存続してきたが、これは地球マントルのコンベヤーベルト様の動き(つまり、「対流セル」)が地表の地形を安定させたからであると報告する論文が掲載される。
大規模な河川の排水系は長い間謎となっており、ナイル川の進化については2つの相反する可能性が示唆されている。1つのシナリオでは、エチオピアから地中海へ流れる川の流れは過去3000万年の間、活動的であったとされており、もう1つのシナリオでは、初期の排水路はエチオピアから西向きにコンゴ盆地まで、あるいは北西にスルト盆地に達しており、地中海と連結したのはもっと遅く500万から800万年前であったとされている。
今回、Claudio Faccennaたちは、現在の排水路が初期に確立したことを示唆する、地球ダイナミクスモデルおよび現在の地質学的・地球物理学的証拠を提示している。彼らは、対流セルがおよそ3000万年前から地球マントル内で動き出し、エチオピアの下で上昇流と地形の隆起、そして地中海東部の下で沈降に関連した下降流をもたらし、これが現在の排水路のパターンにつながったことを見いだしている。
doi: 10.1038/s41561-019-0472-x
注目の論文
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月21日
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
11月20日
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications
-
11月19日
気候変動:パリ協定を達成するために、CO2の受動的吸収を計算から分離するNature
-
11月18日
惑星科学:嫦娥6号のサンプルが裏側の月火山活動の年代を特定Nature
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications