注目の論文

【惑星科学】多数の惑星発見をもたらす新技術

Nature Astronomy

2019年12月24日

Planetary science: A new technique results in planet haul

3個の異なる恒星を軌道運動する、新しい系外惑星を6個発見したことを報告する論文が掲載される。新しい技術を用いて突き止められたこれらの惑星の質量の範囲は、地球のおよそ2.6倍から木星のほぼ半分であり、これらは全て、恒星の極めて近くを周回している。

過去10年間で、他の惑星系では、太陽系に比べて、惑星が恒星のかなり近くに位置する可能性のあることが明らかになってきた。今回、Carole Haswellたちは、そのような近接した惑星が存在する可能性のある恒星系を特定するための技術を開発した。惑星が恒星の近くを軌道運動するとき、ガス雲の散逸の原因となる、大気の浸食が生じる(アブレーションとして知られる)。著者たちはこのアブレーション過程が生じている恒星系を突き止め、これらの恒星系を従来の惑星発見の技術を用いて分析した。

著者たちは新しい手法を用いて調べた最初の3個の恒星周辺に惑星を発見した。恒星系DMPP-1は内側に、地球質量の3~10倍の質量の3個の惑星(おそらく岩石質)と、さらに遠くに海王星質量の1個の惑星からなる、複数の惑星を有する。DMPP-2を周回する系外惑星の質量は木星の半分だが、この惑星は脈動星を約5日で周回する。DMPP-3は連星系であり、最も大きな星を周回する、地球質量の2.6倍の惑星を持つ。これらの新しく発見された系外惑星は、水星が太陽を周回するよりもかなり近くの所で、恒星を周回している。

この技術の多用途性(惑星系の特性はすでに推測されているため、比較的少ないデータで低質量の惑星を検出することができる)は、新しい惑星を探査するための効率的な手法であると、著者は考えている。

doi: 10.1038/s41550-019-0973-y

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