注目の論文
惑星科学:チクシュルーブ・クレーターを生み出した小惑星の衝突軌跡を突き止める
Nature Communications
2020年5月27日
Planetary science: Determining the trajectory of the Chicxulub impact
メキシコにあるチクシュルーブ・クレーターは、小惑星が水平面に対して45~60度というかなり大きな角度で衝突したことによって形成されたことを報告する論文が、Nature Communications に掲載される。
チクシュルーブ・クレーターの形成につながった約6600万年前の小惑星の衝突は、地球の環境に壊滅的な影響を与え、ほぼ同時期に起きた大量絶滅事象に関連すると広く信じられている。しかし、この小惑星の衝突軌跡については、いまだに議論が続いている。
今回、Gareth Collinsたちの研究チームは、チクシュルーブ・クレーターの形成をシミュレートしたモデルを使って、小惑星が飛来した方角と衝突角度を決定した。Collinsたちは、4種類の衝突角度(90度、60度、45度、30度)を考慮した3D数値シミュレーションを用いた。Collinsたちは、このデータと地球物理学的観測に基づいて、北東方向から飛来した小惑星が急角度(水平面に対して45~60度)で衝突し、チクシュルーブ・クレーターが形成されたという見解を示している。また、Collinsたちは、この衝突角度であれば、クレーターから放出された物質がほぼ対称的に分布し、衝突した小惑星の質量当たりの気候変動ガス放出量が他の検証対象シナリオの場合よりも多かったと考えられると主張している。
doi: 10.1038/s41467-020-15269-x
注目の論文
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月21日
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
11月20日
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications
-
11月19日
気候変動:パリ協定を達成するために、CO2の受動的吸収を計算から分離するNature
-
11月18日
惑星科学:嫦娥6号のサンプルが裏側の月火山活動の年代を特定Nature
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications