注目の論文

環境:飲料製品のペットボトルを小型から中型に変えればPET廃棄物を削減できる

Scientific Reports

2021年2月26日

Environment: Shifting from small to medium plastic bottles could reduce PET waste

米国内で飲料製品の販売量の20%のプラスチックボトルを小型から中型に変えることで、ポリエチレンテレフタレート(PET)廃棄物の生成量を年間9000トン以上削減できる可能性があることを示唆する論文が、Scientific Reports に掲載される。

PETは、ノンアルコール飲料の入ったプラスチックボトルの主要な原材料だ。今回、Rafael Becerril-ArreolaとRandolph Bucklinは、米国ミネソタ州で最も販売量の多いいくつかの飲料ブランドが発売している187種類のサイズの異なるペットボトルの重さを測定し、包装材料の重量をできるだけ抑えながら最大容積の飲料を供給する最も効率的なボトルサイズを突き止めた。そして彼らは、2009~2013年のミネソタ州における各種サイズのペットボトルの販売量とPET廃棄物の重量に関するデータを組み合わせて、今回の知見の検証を行った。これらのデータは、特定のサイズのペットボトルの販売量の変化がPET廃棄物に与える影響を推定するために用いられた。

その結果、中型ボトルが、小型ボトルや大型ボトルと比較して、最少の包装重量で最多量の飲料を供給できることが判明した。最も効率的なボトルの容量は、約2.265リットルだった。飲料製品の販売量に占める中型ペットボトルの割合が相対的に高い場合、PET廃棄物の重量は少なくなった。また、飲料製品の販売量の20%を小型ペットボトルから中型ペットボトルに変えた影響をシミュレーションすると、PETの使用量を毎年1%削減でき、これによって米国全体で年間9052トンのPET廃棄物の削減につながる可能性があると推定された。

著者たちは、以上の知見から、米国内で消費者に向けて小容量から中容量の飲料製品への切り替えを奨励することで、年間9000トン以上のプラスチック廃棄物の削減に役立つ可能性のあることが示されたと指摘している。著者たちはまた、ボトリング各社が、消費者が小型ボトルを使わずに飲料の分量を調整できるように、中型ボトルに容量を示す目盛りを印刷することが可能だという考えも示している。

doi: 10.1038/s41598-021-82983-x

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