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天文学:活動銀河核の「統一モデル」が正しいことを示す証拠

Nature

2022年2月17日

Astronomy: Confirming the ‘unified model’ of active galactic nuclei

Nature

近傍の銀河の中心に位置するブラックホールを取り巻く高密度で不明瞭なダストが観測され、これが、活動銀河核の統一モデルの正当性を示す証拠だと結論付けられた。この知見を報告する論文が、今週、Nature に掲載される。今回の結論は、この近傍銀河の高解像度画像の解析によって得られた。これらの画像は、活動銀河核についての新たな研究機会をもたらしている。

活動銀河核は、一部の銀河の中心に位置する高エネルギー領域で、超大質量ブラックホールからエネルギーを得ていると考えられている。活動銀河核が発する光は、光が放射される領域に関連したスペクトル特性を生み出す。活動銀河核は、このスペクトルの特徴によって1型と2型に分けられる。しかし、統一モデルは、ダストを豊富に含む円環状の雲が銀河の中心に位置するブラックホールを取り囲み、ブラックホールに供給されることで、視線が遮られることがあるために、活動銀河核が2種類に大別されると示唆している。

今回、Violeta Gámez Rosasたちは、この統一モデルを裏付ける観測結果を報告している。Gámez Rosasたちは、典型的な銀河の1つであるNGC 1068の高解像度画像を取得した。統一モデルは、この銀河に基づいて最初に確立された。Gámez Rosasたちは、ヨーロッパ南天天文台の4基の天体望遠鏡の光を組み合わせたMATISSEと呼ばれる装置を使って、活動銀河核の最高の画像を得た。こうした画像と電波地図の解析は、円環状のダスト雲の存在を明らかにし、ダスト雲の特徴を解明する上で役立った。それらの特徴は、統一モデルで予測されている特徴と一致していた。また、Gámez Rosasたちは、円環状のダスト雲の下にあるブラックホールの位置も特定した。この点も統一モデルと矛盾しなかった。

同時掲載のNews & Viewsでは、統一モデルの構築に協力したRobert Antonucciが、「我々は、Gámez Rosasたちの研究が統一モデルの正しさを示すこれまでで最高の証拠であるという事実を祝福できる」と述べている。

doi: 10.1038/s41586-021-04311-7

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