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気候変動:ルワンダに生育する樹木を個別にマッピングする方法

Nature Climate Change

2022年12月23日

Climate change: A method to map individual trees in Rwanda

Nature Climate Change

人工衛星画像とディープラーニング(深層学習)を併用して、ルワンダ国内に生育する樹木を個別にマッピングする方法を示した論文が、Nature Climate Changeに掲載される。この論文に示された知見は、ルワンダにおける炭素貯蔵量のほぼ半分が森林の外に生育する樹木の炭素貯蔵量であることを示唆しており、アフリカでの樹木モニタリングを改善し、より完全なものとすることが気候変動対策の誓約を果たすために非常に重要なことを浮き彫りにしている。

樹木は、気候変動の緩和にとって重要だ。パリ協定の締約国は、森林減少の抑制、二酸化炭素吸収源の強化と森林の保全を実施しなければならない(第5条)。ルワンダをはじめとする多くのアフリカ諸国は、現地調査の結果を用いて、森林樹木の定期的な評価、定量化とモニタリングを行っている。しかし、これらの方法は多大な労力を要し、森林の外(例えばサバンナ、疎林、分断された農業生態系)で生育している樹木を個別にマッピングするには不十分だ。そのために炭素便益の算定が不完全になることが多く、その結果として、十分な天然資源の管理が行われていない。

今回、Maurice Mugabowindekwe、Martin Brandtたちは、航空画像とディープラーニングを併用して、ルワンダの生態系全体における上層木(周囲の樹冠の上にそびえる樹木)のサイズと炭素貯蔵量を個別的にマッピングし、マッピングされた樹木のほぼ90%が農地、サバンナと農園で生育しており、それらの樹木が同国内の地上炭素貯蔵量の半分近くを占めていることを明らかにした。自然林は、樹木数全体のわずか11%に過ぎないが、炭素貯蔵量の51%を占めており、自然林の保全、再生や持続可能な管理が、木材生産のための植林よりも気候変動の緩和に有効なことを示唆している。

著者たちは、自分たちの方法による樹木の検出と測定が、アフリカの他の国々で実施されれば、樹木数と炭素貯蔵量の報告の精度を高め、各国の気候変動対策の誓約の履行を後押しできるかもしれないという点を強調している。

doi: 10.1038/s41558-022-01544-w

英語の原文

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