注目の論文
猛暑が小麦の老化を早める
Nature Climate Change
2012年1月30日
Hot crops age prematurely
作物収量を減らす影響のある作物の老化は、現在の大部分の作物モデルで過小評価されており、小麦の老化が極度の暑さによって加速することが明らかになった。この新知見は、小麦生産にとっての気候温暖化が、現在の作物モデルによる予測以上の大問題であることを示唆している。この研究結果を報告する論文は、Nature Climate Change(電子版)に掲載される。 気候変動が農業に及ぼす影響を予測する際の不確実性の重要な原因の1つは、極度の高温に対する作物の応答があまり解明されていないことだ。今回、D Lobellたちは、インド北部での小麦の生育に関する人工衛星の測定結果を用いて、摂氏34度を超える高温に曝露された後の小麦の老化速度をモニタリングした。 広く用いられている2つの作物モデルによるシミュレーションでは、高温が小麦の老化に与える影響が過小評価されることが示唆された。老化の開始は、登熟、したがって作物収量の重大な制約であるため、作物モデルでは収量の減少が過小評価される可能性が高い。以上の新知見は、農業における適応策の成否が、非常に暑い日に対する作物の感受性をうまく低下させられるかどうかにかかっていることを示唆している。
doi: 10.1038/nclimate1356
注目の論文
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月21日
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
11月20日
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications
-
11月19日
気候変動:パリ協定を達成するために、CO2の受動的吸収を計算から分離するNature
-
11月18日
惑星科学:嫦娥6号のサンプルが裏側の月火山活動の年代を特定Nature
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications