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干ばつがアフリカトウモロコシの収量低下を深刻化

Nature Climate Change

2011年3月22日

Drought worsens dilemma for African maize

Nature Climate Change

食料生産に対する熱ストレスと水ストレスの影響に関する解析結果を報告する論文が、Nature Climate Change(電子版)に掲載された。今回の解析は、特にアフリカトウモロコシとその温暖化への対処能力に焦点を当てたもので、1℃の温暖化で、現在のアフリカのトウモロコシ栽培地域の65%で、収量減になるという結果になった。また、干ばつ条件下では、現在のトウモロコシ栽培地域の100%で収量減となり、そのうちの75%で、少なくとも20%の収量減になるとされる。気候変動が食料生産に及ぼす影響は、特に熱帯地域での影響が、まだよくわかっていない。今回D Lobellらは、1999~2007年に実施された2万回以上のアフリカトウモロコシの収量試験のデータと日々の天気記録を用いて、熱ストレスと干ばつが収量に及ぼす影響を調べた。「ディグリーデー」は、作物に加わる熱の量と継続期間を示す尺度の1つだが、Lobellらは、気温が30℃を超えると、天水で栽培されるトウモロコシの場合には、1ディグリーデーごとに収量が1%減少することを見出した。この結果は、米国での温帯トウモロコシに関する観察結果と一致している。その一方で、干ばつ条件下では、気温30℃超で1ディグリーデーごとに収量が1.7%減少することも明らかになり、利用可能な水の量が、トウモロコシの生き残りにとって極めて重要なことが示唆されている。

doi: 10.1038/nclimate1043

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