注目の論文
加速する北極湿潤化の一つの原因
Nature Climate Change
2012年7月30日
Increased arctic wetting
今後数年間の北半球高緯度域における降水量の増加と水循環の増加傾向の背後にある重要な駆動要素は、大気中の水蒸気の輸送だとする考え方を示した論文が、今週、Nature Climate Change(オンライン版)に掲載される。こうした傾向は、すでにユーラシア北極圏での河川流出量の増加と気候モデルによる予測によって示されており、その原因として、局所的な温暖化効果の結果生じた数々の要因が挙がっていた。
今回、X Zhangたちは、河川流出量の増加が過去10年間に加速し、この増加に決定的な寄与をしたのが、北極に向けた大気中の水蒸気の輸送だったことを明らかにした。
今回得られた知見は、気候システムとの水文相互作用(例えば、極地増幅への水蒸気の寄与)の解明を進めるうえで役立ち、密度駆動の海洋循環にとっても大きな意義をもつだろう。
doi: 10.1038/nclimate1631
注目の論文
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications
-
11月12日
気候変動:南極の氷が人為的な温暖化が1.5℃の温暖化の限界に近づいていることを示唆しているNature Geoscience
-
11月12日
惑星科学:ボイジャー2号が天王星をフライバイしたのは太陽の異常現象の最中だったNature Astronomy
-
11月8日
気候変動:プライベート航空による二酸化炭素排出量の大幅な増加Communications Earth & Environment
-
11月7日
地球科学:インドプレートとユーラシアプレートの収束の加速を説明するNature
-
10月25日
保護:深刻な絶滅の危機に瀕するスマトラトラに対してより大きな保護が必要Scientific Reports