注目の論文
最終的に炭素は台風で収納される?
Nature Geoscience
2008年10月20日
Carbon storage by typhoons?
熱帯サイクロンは大気中の二酸化炭素を長期間にわたり深海に堆積物として輸送する上で重要な役割を果たしている、とNature Geoscience(電子版)に発表される研究が示している。この炭素封鎖の全球的な重要性はまだ評価されていないが、この炭素循環における関連性は、将来の熱帯サイクロンの頻度や強度変化に極めて敏感であると考えられる。
R Hiltonらは、熱帯サイクロンが引き起こした洪水時の台湾の立露渓における堆積物組成を分析し、河川中の年代の若い有機炭素組成(すなわち最近大気から取り込まれた炭素)を定量化しようと試みた。数十年にわたる河川浸食を調べて、著者は、この炭素の80~90%はサイクロンによる洪水で輸送されたと見積もっている。
この発見は、台風の頻度と強度が陸上の年代の若い有機炭素を海へ輸送することに強い影響を与えることを示唆している。そのような密度の濃い、堆積物をたくさん運ぶ洪水は深海まで到達することがよくあり、長期にわたり炭素を埋設するメカニズムを提供しうることになる。
doi: 10.1038/ngeo333
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