注目の論文
湿潤な火星の再検討
Nature Geoscience
2012年9月10日
Moist Mars revisited
火星の粘土は水を豊富に含む溶岩流から形成された可能性があると、今週号のNature Geoscience(オンライン版)に発表された研究が報告している。この発見は、この粘土が火星初期に温暖で湿潤な気候が存在した証拠を提供するという示唆に対して異議を申し立てるものである。
Alain Meunier等は、フレンチポリネシアで水を含んだ溶岩から直接形成された粘土鉱物の分光特性を分析した。彼らは、粘土の分光特性はマーズ・リコネッサンス軌道船が測定した火星の粘土のものと似ていることを示した。この発見は、火星の粘土がこれまで考えられていたように表面の岩石が液体の水により風化を受けて形成されたのではなく、水を含んだ火山の溶岩から形成された可能性があることを示唆している。火山性の起源に対するさらなる証拠は、火星の粘土と火星表面の溶岩流、および地球で見つかった火星起源の隕石の粘土鉱物化学組成との間に関連性があることからも提示されている。
関連したNews and Viewsの記事でBrian Hynekは次のように書いている、「このような結果は、初期の火星は地球の生命が確立した時期にはこれまで考えられていたように住むのに適した環境ではなかった可能性があることを示唆している。」
doi: 10.1038/ngeo1572
注目の論文
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月21日
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
11月20日
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications
-
11月19日
気候変動:パリ協定を達成するために、CO2の受動的吸収を計算から分離するNature
-
11月18日
惑星科学:嫦娥6号のサンプルが裏側の月火山活動の年代を特定Nature
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications