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【化学】バイオマスからメタノールを直接生成する

Nature Communications

2012年9月12日

Chemical Sciences: Methanol from biomass

Nature Communications

バイオマスからメタノールを直接生成する過程に使用できる可能性のある触媒が開発された。メタノールは、ガソリンよりクリーンな輸送燃料として提唱されているが、通常は、有限な天然資源である天然ガスから生成される。一方、バイオマスは再生可能であることから、バイオマスからメタノールを生成するという新たなプロセスによってメタノールの普及が進むという見方が今回の研究で示されている。この研究成果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。

今回、E Tsangたちは、エチレングリコールからメタノールを直接生成するためのパラジウム/酸化鉄触媒を開発した。エチレングリコールは、バイオマスから生成することができる。この新しい触媒の活性は、極めて小さなパラジウム/鉄クラスターの存在に依存している。

通常、メタノールは、天然ガスから合成ガスを介して生成される。合成ガスとは、一酸化炭素と水素の混合体であり、天然ガスから製造される。今回開発された触媒は、この従来の生成経路とは異なる新しい経路の開発に役立つ可能性があるが、今後の研究では、生産性を最適なレベルに高め、工業に適した条件下で触媒の安定性を評価する必要がある。

doi: 10.1038/ncomms2053

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