注目の論文
エアロゾルとその下の雲が温暖化をもたらす
Nature Geoscience
2009年2月23日
Aerosols and underlying clouds lead to warming
大気頂部で集められるエアロゾルは、その下に雲があるときには温暖化に対して大きな影響を及ぼす、とNature Geoscience(電子版)に発表される論文が示唆している。植物体の燃焼によって生成されるエアロゾルは、太陽放射を反射したり吸収したりすることで、地球の放射平衡に変化をもたらす。全体として温暖化になるか寒冷化になるかは、その下の表面の反射率に依存する。
D Chandらは、人工衛星データを用いて大西洋南東部の上に運ばれるエアロゾルの温暖化効果を定量化した。彼らは、エアロゾル層の下にひろがる雲の領域が大きいほど、エアロゾルが大気を加熱する割合も大きいことを発見した。この関係はほぼ線形で、エアロゾルが全体として寒冷化に働く状況から、全体として温暖化に働く状況に転換する臨界点を定義することを可能としている。彼らは、このエアロゾルとその下の雲との関係を考慮すると、地域的な温暖化はこれまで予測されていたものよりも3倍大きくなる、と見積もっている。
doi: 10.1038/ngeo437
注目の論文
-
12月19日
天文学:月の年齢はより古いNature
-
12月19日
気候変動:南極の海氷減少が嵐の発生を促すNature
-
12月17日
惑星科学:土星の環が若々しい外観を保っている理由Nature Geoscience
-
12月12日
天文学:Firefly Sparkleが初期の銀河形成に光を当てるNature
-
12月11日
気候変動:世界的な観光産業による二酸化炭素排出量は増加し、不平等であるNature Communications
-
12月10日
Nature's 10:2024年の科学に影響を与えた10人Nature