注目の論文
パタゴニア氷河期の塵輸送機械
Nature Geoscience
2009年3月30日
Patagonian glacial-age dust machine
パタゴニア氷河が2万1,000年前に急に後退したことは、南極大気中への塵の供給が止まったことを意味する、とNature Geoscience(電子版)の論文が示している。現在まで、南極氷コア中の塵が急激に減少した原因は、それがこれまでに分かっている南極の気温や降水量などの変動よりも先に起きているので、良く分かっていなかった。
D Sugdenらは、パタゴニアのティエラ・デル・フエゴ地域で過去8万年間の氷河変動を放射性同位体を用いて再現した。彼等は、氷河が、南極氷コア中の塵の量が減少しているのと同じ時期である2万1,000年前に後退を始めたことを発見した。研究チームは、氷河が最も広がっていたときには、氷河は塵として動きうる地域に堆積物を輸送し、南極にまで届いていたと考えている。氷河が後退したときには、その代わりに堆積物はパタゴニアの湖に閉じこめられたのである。
doi: 10.1038/ngeo474
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