注目の論文

将来の森林の変化

Nature Geoscience

2009年6月29日

Future forest changes

Nature Geoscience(電子版)に発表される研究によると、気候変動が止まったとしても、おそらく生態系は長期にわたって変化し続けるとのことである。この研究は、「危険な気候変動」のレベルを決めるときには、将来にわたる生態系の変化に過去の気候変動を通して関与することを考慮する必要があることを示唆している。

C Jonesらは、気候変動が地球の生態系に与える長期の影響を調査するための気候-植生連結モデルによるシミュレーションを解析した。彼らは、数多くの気候変動シミュレーションを実行したが、それぞれのシミュレーションでは異なった大気中の温室効果ガスレベルで気候を安定化させた。そのシミュレーションによると、気候境界条件を一定に保った後も、何十年にわたり森林の被覆率が大きく変化し続けた。

著者らは、生態系の変化が観測されるまでに熱帯の森林被覆率と高緯度地域の森林拡大が大きく減少することは避けられないと結論している。

doi: 10.1038/ngeo555

「注目の論文」一覧へ戻る

プライバシーマーク制度